ドライアイスとは、炭酸ガスを固化成型した、固形二酸化炭素の商品名で、

(1925年に工業的大量生産に成功した、アメリカのドライアイス・コーポレーションの商品名)

-78.9℃の純白大理石のような固体のことです。

我が国では、1928年同社から製造販売権を得て、日本ドライアイス株式会社(後の昭和炭酸株式会社)が設立され、製造販売が開始されました。

弊社は昭和炭酸株式会社の直販会社:昭炭商事株式会社(昭和炭酸株式会社に吸収合併後、2012年1月1日昭和電工ガスプロダクツ株式会社に社名変更)と、代理店契約を締結しております。

ドライアイスの冷却力は0℃の場合1kgに付き152kcalで、氷(80kcal)の約1.9倍の能力があります。また固体から直接気体の炭酸ガスになることから、氷のように冷却物を水で濡らすことがありません。

また表面温度が-78.9℃で、アイスクリームや、冷凍食品などの低温保管保存に最適な寒剤です。

ドライアイスの欠点は極低温であるため短時間で昇華(個体から液体を経ず気体になる)します。

昇華時の発生ガス量は0℃の場合で、もとの体積の約750倍、1kgのドライアイスで約0.5m3のガスが発生し、密閉容器の場合のガス圧は70kg以上に達しますので、耐圧容器でない場合は破裂し非常に危険です。

しかし通常は(密閉容器でなければ)、炭酸ガスはガムテープやポリ袋のシール、冷蔵庫のパッキンの隙間等からガス圧で自然に抜けていきますので、怖がる必要はありません。

スモーク(白雲)は約80℃の湯に1kg投入して70分程発生します。

発生時間、スモークの濃度はドライアイスの砕き方、大きさ、湯温により左右されます。

ぬるいお湯、常温水ではドライアイスに接する水が凍結して、氷の幕がドライアイスを包むことから、スモークの発生を妨げ、連続的な発生は望めません。
持続的なスモークの発生が必要な場合は高温且つ多量な湯、または追い湯、湯の交換が必要です。

また、スモークは容器全体から噴きこぼれるように発生し、周囲に拡散するため、望む方向へのみ流すためには、工夫や装置が必要となります。

上記のドライアイスの極低温(-78.9℃)を利用して、液体窒素のような手に入りにくい資材を使わなくても、容易に極低温装置を作ることが出来ます。
その方法は、右の表のような凝固点の低い寒剤を注いだ容器に、砕いたドライアイスを適量投入し、よくかき混ぜるだけで可能です。
ただし寒剤の取扱いには細心の注意が必要です。

ドライアイスは左図のような昇華曲線をたどりますので、ドライアイスのカットの仕方、包装の仕方等で昇華速度を目的の時間に調節することが必要です。

過大包装は保冷効果を妨げますし、過小包装は途中で昇華しきってしまい、急激な温度上昇を来します。

・A=保冷箱の内壁面積(㎡)
・Hr=輸送時間
・℃=温度差(外気温-保冷温度)
・K=熱貫流率(熱伝導率÷厚み)